はじめに
こんにちは、もんパパです。 前回の記事では「発達のピラミッド」についてざっくりとお話ししました。 子どもの成長って「下の土台(感覚)」があって、その上に「運動」「学習」「社会性」が積み上がっていくんですよね。
でももし、この“ピラミッド”がうまく積み上がらなかったら…? 実は日常生活の中で「集中できない」「不器用」「すぐに気が散ってしまう」など、目立つ困りごととして表れることがあります。 今日はそんな「ピラミッドがうまく積み上がらなかったらどうなる?」というテーマを、できるだけやさしくまとめてみたいと思います。
感覚には個人差がある
人はそれぞれ感覚の受け止め方に違いがあります。 嗅覚が鈍感で常に強い香水をつけていても平気な人がいる一方で、嗅覚が過敏で洗剤の香りですら気になるという人もいます。
それは、子どもたちでも同じことが言えます。
たとえば…
この感覚を受け止める様子を下の図で例えて説明します。 コップは子どもの感覚を取り入れる器。水は入ってくる感覚情報だと考えてください。

- は感覚が過敏な子。水(感覚情報)があっという間に飽和状態になってしまい、入ってくる感覚情報が耐え難いものになってしまいます。
- は①③の中間。水(感覚情報)はまだ入る余裕もあり適切な状態です。
- は感覚が鈍感な子。水(感覚情報)を入れてもなかなかコップの中は満たされず、何度も感覚情報を取り入れようとします。
こうした感覚の取り入れる器の違いは「良い・悪い」ではなく、個性のひとつです。感覚を取り入れる器は小さめ子もいれば大きめの子もいます。
ただ、器の大きさが極端に小さかったり(過敏)大きかったり(鈍感)した場合、日常生活で困ることが出てきます。
発達のピラミッドの「上のほう」が目立つ
この記事を読んで下さっているパパ・ママ。子どもに対して「あれっ?」「困った・・」とこんな悩みを抱えていませんか?
これらの悩みを発達のピラミッドに当てはめるとこんな感じ↓

全部、発達のピラミッドの上の方に関連していますよね。そうなんです。これらの悩みって発達的にはかなり高度なものなんです。そして、こうした困りごとに対してこんな事をしていませんか?
これらの対応も悪くはありません。でも、それだけではうまくいかないこともあります。
大切なのは「下の土台」から考えること
ピラミッドの下の方にある「感覚の土台」が安定していないと、その上にある「運動」「学習」「社会性」などはうまく積み上がりません。
たとえば:
- からだの位置感覚がうまく育っていない → 姿勢が崩れやすい → 集中力が続かない
- 触覚が敏感すぎる → 道具や素材に触れるのを嫌がる → 工作や字を書くのが苦手になる
これは「家づくり」にも似ています。
どんなに立派な2階を建てても、基礎がぐらぐらだと崩れてしまいますよね。
発達も同じで「感覚の土台」がしっかりしていないと、その上にある力がなかなか育たないのです。

ちなみにウチの子は癇癪をおこして、ついつい手が出たり・・。言葉の表出が苦手・・。などなど、目につきやすい「困った」があります。 感覚の土台を見てみると服のタグを極端に嫌がったり、(触覚過敏)ブランコなどの揺れが大きくなると極端に怖がったり(前庭覚過敏)な要素があります。 あまり関係なさそうに感じるかもしれませんが、これらの土台づくりをしていく事で「困った」の改善が出来るんじゃないかなと日々取り組んでいます。
まとめ
「なんで集中できないんだろう?」「どうして不器用なんだろう?」などなど。日々の生活で「あれっ?」「困った・・。」が出たときは、まず「感覚の土台」に目を向けてみましょう。
次回からは具体的に、
- 前庭覚
- 触覚
- 固有覚
この3つの感覚について、どんな働きがあるのか、そして敏感・鈍感だとどんなことが起きるのかを、遊びの例も交えながらお伝えしていきます。


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