学力向上のカギは運動!子どもの学ぶ力を育てる秘密

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「勉強して立派な大人になって欲しい」 近年「学力」の重要性が叫ばれている中、パパ・ママであれば、このように思われている方は多いのではないでしょうか?

それでは子どもの「学力」は一体どのように伸ばしていけば良いのか?今回はこんな疑問にお答え出来るよう「学力」が伸びるプロセスを説明していこうと思います。

「学力」を構成しているのは「運動」「知能」「実行機能」

結論からお話すると「学力」は3つの能力が積み上がって構成されており、下から「運動」「知能」「実行機能」とピラミッドのようになっています。そのため、幼少期にたくさん身体を動かし運動する事で「知能」が高まり「実行機能」が育ちます。そして、結果的に「学力」を高める事が出来ます。

「知能」が学力の基礎になる

それでは「知能」とは一体何なのでしょうか?

私たちが何かを「認識する」→「考える」→「答えを出す」というプロセスを脳の中で行っています。このとき「知能」と呼ばれる能力が学力を構成する要因となっています。学校の教科で例を挙げると下記のようなものです。

  • 国語→「文字を読む」「言葉を理解する
  • 算数→「数字や空間を認識する
  • 歴史→「記憶する

これらの1つ1つが「知能」なんです。つまり、表面上のテストの点数を高めようとするよりも、根底にある知能をしっかりと身に付けておく事が重要で、それが学力を高めるための土台になります。

「知能」には様々な種類がある

知能について、もう少し深堀りしてみましょう。知能は1つではなく複数あるという「多重知能理論」という考えが普及しています。その知能は大きく8つに分類されています。

  • 言語の知能(言葉を使う力)
  • 論理・数学の知能(数字や論理を扱う力)
  • 空間の知能(空間や図形を把握する力)
  • 音楽の知能(音やリズムをより深く表現する力)
  • 身体運動の知能(体全体や手先を使う力)
  • 対人の知(他人と関わる力)
  • 内省的知性(自分自身を洞察するコントロール力)
  • 博物の知能(自然や物事の分類や観察に関する力)

それぞれの「知能」の伸ばし方

以下では、この8つの知能の伸ばす為の具体的な関わり方を紹介します。

言語の知能(言葉を使う力)

日頃から子どもの言葉を大切に扱い、表現する場をたくさん作ってあげましょう。

会話のキャッチボールをすることで、語彙力や思考力が自然と豊かになります。

対話では子どもの話に耳を傾け、積極的に「そう思ったのはどうして?」と会話を広げる質問をしてみてください。時折、親の考えも伝えて議論を深める事で言語の知能が育っていきます。

論理・数学の知能(数字や論理を扱う力)

子どもの「なぜ?」という探究心を大切にし、一緒に考える姿勢を見せましょう。

動物園、水族館、科学館へ遊びに行くなどして、子どもの知的好奇心を満たす活動を積極的に取り入れましょう。実際に行くだけでなく、図鑑や実験キットの活用も効果的です。

また、一緒に遊ぶ中で「このおもちゃ、どうして動くんだろうね?」といった問いかけを多くする事で論理・数学的知能が育っていきます。 

空間的知能(空間や図形を把握する力)

子どもの「イメージする力」を大切に育みましょう。空間的知能は、図や絵を描くことだけでなく、物事を多角的に捉え、複雑な情報を整理する力にもつながります。つまり、見えないものをイメージする力です。

立体的な遊び(LEGO・ブロック・プラモデル等)を通して想像力を働かせながら立体的なものを作ったり、スマホやトイカメラなどで「ママとパパを撮って」と、お願いしてみましょう。

完成したものを説明してもらったり、「どうしてそうしたの?」と質問したりすることで、考える力や表現力も育まれます。

音楽的知能(音やリズムを理解し表現する力)

音楽は、言葉では表現しきれない感情や感覚を伝えられる手段の1つです。音楽的知能を育むことで、子どもは自分自身の想いをより表現できるようになり、感受性も豊かになります。

普段から多様な音楽に触れ(クラシック・ジャズ・J-POP等)一緒に聴いてみましょう。音楽に合わせて親子で好きに踊ったりしても子どもは楽しんでくれるはず。

音楽のスキルを追求するだけでなく、音そのものを楽しむ気持ちを大切にしてみてください。

身体運動的知能(体全体や手先を使う力)

体を動かす楽しさを知り、動作を理解しやすいような関わり方をしてみましょう。体を動かすことで、五感が研ぎ澄まされ、空間認識能力や協調性も育まれます。

スポーツ、料理、DIYなど、体を使って表現する機会をたくさん作ってあげましょう。身体を大きく動かす遊び(走る・跳ぶなど)と、手先を使う細かい作業(折り紙・工作など)の両方をバランスよく取り入れましょう。

また、身体を動かすだけでなく「その動き、どうやって思いついたの?」と、動きの工夫や豊かさに目を向けることで、考える力や説明する力も身につきます。

対人的知能(他人と関わる力)

子どもがさまざまな人と関わり、協力する経験を重ねることが重要です。

生活の中でコミュニケーションを増やすよう心がけましょう。遊びをする際は、同い年の友だちだけでなく、兄弟や年上の子と遊ぶ時間を確保することで他者交流スキルがアップしていきます。

子どもが人との関わりの中で経験する成功や失敗を、温かく見守り、支えてあげることが大切です。

内省的知能(自分自身を理解しコントロールする力)

子どもが静かに過ごせる時間を確保し、向き合う過程を尊重することが重要です。

生活の中で一人で何かに集中して取り組む時間をつくってみましょう。内省的知能を伸ばすには、日記を書いたり絵日記をつけたりして、自分の気持ちを言葉にする習慣を持つことがおすすめです。

集中しているときは、余計に声をかけず干渉しすぎないことを心がけましょう。

博物的知能(自然や物事の分類や観察に関する力)

子どもの探究心を満たす環境を整え、好奇心を一緒に楽しむことが大切です。

公園や山、海などへ出かけて自然に触れる機会を増やしましょう。また、触れ合う中で昆虫採集や植物の観察、図鑑で調べるなど探求活動を取り入れるようにしてみてください。

自然との触れ合いは五感を研ぎ澄まし、集中力も高めてくれます。同時に探求活動もすることで知的満足度の向上も望めます。子どもが持つ小さな「なぜ?」を大切にし、探究心をさらなる才能へと育ててあげましょう。


もんパパ
もんパパ

勘の良い方ならすでにお気づきかもしれませんが、この知能は「どこかに出かけたり」「運動したり」「遊んだり」して育つものばかりなんです。学力の土台の1番下が「運動」になっているのも納得ですね。

「実行機能」が学力に直結している

いま挙げた知能を伸ばすことで「実行機能」が育ちます。そして、この「実行機能」が学力に直結しているということが近年分かってきました。

実行機能とは、目的を達成するために思考や行動をコントロールして突き進む力のこと。つまり、集中力を持続し、情報を記憶して課題を解決しながら、状況に応じて行動や考え方を柔軟に切り替える力なんです。

学力に直結する3つの「実行機能」

実行機能は主に3つあります。

集中の持続

衝​​動や不要な反応、習慣的な行動を抑えて、状況に合った行動を選択する力。

更新(ワーキングメモリー)

必要な情報を一時的に保持し、必要に応じて新しい情報に置き換える力。

認知的柔軟性

状況やルールの変化に応じて思考や行動を柔軟に受け入れる力。

「知能」「実行機能」は運動習慣によって高まる

冒頭でもお話しましたが運動」→「知能」→「実行機能」→「学力の順でそれぞれの機能が育っていきます。

しかし、実行機能や知能は、一時的な運動によって一気に高められるようなものではありません。日常的な運動によって徐々に高まっていきます。


もんパパ
もんパパ

目先の学力だけに着目しないで、「学力」の基礎となる「実行機能」「知能」、さらに「運動習慣」が身についているかを意識しながら子どもと接していけたらいいですね。

早期教育をしてもいずれ差がなくなる!?

早期教育に関して面白い研究があるようで、幼少期から詰め込み的に多くの情報をインプットさせた子の学力と、それほどインプットを重視せず通常の学校に通うだけの子どもの学力を比較すると、小学校4年生(およそ10歳)くらいで差がなくなるらしいんです。

これは幼少期から知識を詰め込む意味がないというわけでなく、詰め込まなかった子ども達でも、ある時期をすぎると飛躍的な成長をみせるので差がなくなってくるようです。


もんパパ
もんパパ

「学力」の土台である「実行機能」「知能」「運動」を幼少期から育んで、子どもの意欲を引き出す事が真の早期教育といえそうです。

親子で一緒に遊んでみよう

「学力」を伸ばす上で運動や遊びを通して「実行機能」「知能」を育む重要性が分かったところで子どもに「運動しなさい」「遊びなさい」と言っても上手くいきません。今の時代、youtubeやゲームなど子どもが動かず1人で過ごせてしまう誘惑は沢山あります。それならばと、どこかのスポーツスクールに通わせても子どもの意欲が伴わなければ長続きはしません。

やはり子どもは一番の近親者である親から色んな事を学びます。言葉や作法、マナーなど、多くの事を親から吸収しますが、それらは「模倣」を通して学んでいます。運動や遊びも同じです。子どもにやらせたいと思ったらまずは大人が行動を起こしてみる。そうすれば子どもも楽しんで運動や遊びに取り組むと思います。

親子揃っての運動遊び

簡単そうですが、日々の仕事で忙しいパパ・ママにとっては、なかなか難しいことかもしれません。でも、それが子どもの成長に繋がると考えたら…。きっと出来ます。

これからは親子で楽しんで遊んだり運動したりする習慣を是非作ってみてください。


参考文献

  • 柳澤弘樹(著)・10歳からの学力に劇的な差がつく 子どもの脳を育てる「運動遊び」・日本実業出版社・2021年 

参考サイト

  • Gifted Gaze 心理士監修が解説 | 多重知能理論とは?8つの知能別「才能の伸ばし方」

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