子どもの「見る力」は伸ばせる!おうちでできるビジョントレーニングあそび

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はじめに

こんにちは、もんパパです。
これまでの記事では、子どもの「発達の土台」として大切な 感覚(触覚・前庭覚・固有覚) についてお話してきました。

今回はその最終回。
テーマは 「視覚」=見る力 です。

視力がよくても「見えにくい」ことってあるんです。「んっ?どういうこと?」って思った方もいるかもしれません。実は見るためには、視力だけでなく、見たものに視線やピントを合わせたり、形や色を見分けたり、見たものを脳で処理して身体を動かしたり….様々な機能が必要です。これらの機能がすべて備わってこそ「視覚」=見る力の総合力があるといえます。

この記事では「視覚ってどんな機能?」「つまずきがあるとどうなる?」「それを改善出来る遊びは?」などといった疑問を解決していきます。


見るために必要な「視覚」の3つのプロセス

視覚には、大きく分けて下記の3つのプロセス があります。

  • 見たものを効率よくとらえて眼に取り入れる「入力」の機能
  • 眼からの情報を脳で分析し把握する「情報処理」の機能
  • 処理した情報をもとに的確に身体を動かす「出力」の機能

入力:眼に情報を取り入れる力(眼球運動)

私たちがものを見ようとするとき、眼球は無意識のうちに素早く動いています。このような眼球運動は大きく3つの働きに分けられます。

追従性眼球運動

動いているものや、本に書かれた文字などを眼でなめらかに追いかける運動のこと。また、1点をじっと見つめることも動きがゼロの追従性眼球運動になります。

もんパパ
もんパパ

この働きが弱いと…

本を読むときに文字を読み飛ばす。文字をきれいに書けない。ハサミを使って切る事が苦手。などが見られる事があります。

跳躍性眼球運動

ある1点から別の1点へ視線をジャンプさせる眼球運動のこと。すばやく眼を動かして対象物をとらえる必要があります。

もんパパ
もんパパ

この働きが弱いと…

本を読む時に文字を読み飛ばす。板書を写すのが遅く上手く出来ない。などが見られることがあります。

両眼の協調

私たちは左右2つの眼を使ってものを見ますが、近くのものを見る時と遠くのものを見る時では眼の使い方が違ってきます。

  • 近くのものを見るとき→寄り眼
  • 遠くのものを見るとき→離し眼

このようにして焦点を合わせており、これを両眼の協調といいます。

もんパパ
もんパパ

この働きが弱いと…

ものが二重に見える。距離感や立体感がつかみにくく物にぶつかる。眼が疲れやすい。などが見られることがあります。


情報処理:見たものを整理する力(視空間認知)

眼でとらえた映像は、神経を通って脳に送られ、それが何であるか認識できるようになります。この脳の働きが「視空間認知」です。視空間認知によって、ただの点や線だった情報が1つの形として具体的にイメージされていきます。この働きは大きく分けて4つあります。

視覚情報の重要度を選別する働き

私たちは、何かものを見るとき、対象物か背景かを無意識に選別しています。例えば、教科書を開いてその中から特定の単語を探し出したり。色々なものが混在している街の中で横断歩道を渡ろうとすれば信号機の色を確認したり。このような事ができるのはこの視覚情報の重要度を選別する働きがあるおかげです。

もんパパ
もんパパ

この働きが弱いと…

探し物が苦手。よくものをなくす。よく道に迷う。などが見られることがあります。

形や色を把握する働き

眼から入った情報を分析して、その形の輪郭や色を認識する働きです。この働きによって同じ色・形などの区別ができるようになります。

もんパパ
もんパパ

この働きが弱いと…

算数の図形の問題が苦手。お絵かきや塗り絵が苦手。などが見られることがあります。

仲間を見分ける働き

形を見分ける働きの1つ。ものの大きさや色、位置などに左右されず、同じ形を「仲間だ」と認識する働きです。例えば、「よ」と「ょ」が同じ文字であると認識できるのもこの働きがあるからです。

もんパパ
もんパパ

この働きが弱いと…

文字をなかなか覚えられない。人の顔を覚えるのが苦手。などが見られることがあります。

空間の位置を把握する働き

眼で見たものを立体的に把握し、自分との距離や大きさ、上下・左右などを認識する働きです。

もんパパ
もんパパ

この働きが弱いと…

よく人やものにぶつかる。球技が苦手。着替えに時間がかかる。などが見られることがあります。


出力:見た情報を身体で表現する力(眼と身体の協調)

最後は、見た情報をもとに身体を動かす為に必要な機能です。
人は五感を使って外の世界の情報を収集し、それをもとに行動していますが、その情報のほとんどは眼から得た情報だと言われています。

たとえば、
・ボールをキャッチする
・線の上を歩く
・字をマスの中におさめて書く
こうした活動はすべて視覚情報をもとに、身体を動かしていることが分かります。私たちが適切に身体を動かすには

  • 眼で情報を得る
  • 脳が判断・指令を出す
  • 身体を動かす

このような連携が必要なんです。このような眼と身体が連動する機能を「眼と身体の協調」といいます。この機能が高まれば、飛んできたボールを避ける。眼に入ったものに素早く反応出来る。手先を使った細かい作業が上手になる。などといった事が可能となります。運動神経がいい。器用だ。と言われる人は、眼と身体の協調がうまくいっていると考えられます。

また、自分が思った通りに身体を動かすには「眼と身体の協調」の他に正しい「ボディイメージ」を持っていなければいけまん。ボディイメージとは、自分の身体の部位やその大きさ、長さ、動かし方などを細かく頭の中に描く能力で、これがないと物と身体の距離感が上手く測れなかったりします。どのようなスポーツにも欠かせない能力ですので、我が子の運動神経を伸ばしたいと考えている親御さんは頭に入れておくとよいと思います。

もんパパ
もんパパ

この働きが弱いと…

文字をきれいに書けない。手先が不器用。スポーツが苦手。などが見られることがあります。


おうちでできる!ビジョントレーニングあそび

これまでお話してきた「視覚」の3つのプロセスに弱さや未熟さがあっても、ビジョントレーニングによって向上させていく事が出来ます。このトレーニングで大切なのは楽しみながら継続して行っていくこと。今回はビジョントレーニングの一部をご紹介します。

ころころキャッチ(追従性眼球運動・眼と身体の協調を育てる)

テーブルの上などで転がってくるスーパーボールを眼でしっかりと追いかけます。そして床に落ちる前に手でしっかりとキャッチします。

慣れてきたらコップでキャッチしてみたりなど、道具を使って取る事で難易度が上がってきます。

リングタッチ(視空間認知・眼と身体の協調を育てる)

紙に直径10cmくらいのリングを描き4つ作って並べます。そのリングの中から指定されたリングに素早くタッチするゲームです。はじめは手で大人が指をさして「これ」といった風に指示を出し少し慣れてきたら「上」「下」「右」「左」といった風に口頭で指示を出すようにしてみましょう。はじめはタッチするリングは1つの指示に対して1タッチが良いです。

更に慣れてきたら「右」「下」など2つの指示を出して2タッチをしてもらうようにすると難易度が上がってきます。


まとめ

「視覚」は、単に“見える”だけでなく、
“見たものを理解し、動きにつなげる”力でもあります。

見えにくさや読み書きのつまずきがあるとき、
「努力」や「性格」の問題ではなく、
その子の「視覚の3つのプロセス」に目を向けてみることが大切です。つまずきがあるのは「入力」「情報処理」「出力」のどれなのか。それによって行うアプローチが変わってきます。

おうちでもできる遊びを通して、
楽しみながら“見る力”を育てていきましょう。

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