子どもの発達と「前庭覚」|敏感・鈍感の特徴と家庭でできる遊び

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はじめに

こんにちは、もんパパです。

今回は子どもの発達を考えるうえで大切な「感覚」のひとつ前庭覚(ぜんていかく)についてお話します。今日も、「前庭覚とは何か?」「敏感・鈍感だとどうなる?」「日常でできる遊び」について解説します。

その他の感覚を知りたい方はこちら👇️


前庭覚ってそもそも何?

姿勢のコントロール

前庭覚の1つ目の機能は 「バランス感覚」や「体の傾き・動きを感じる力」 具体例を挙げるとこんな感じです👇️

  • ブランコに乗って「揺れてる!」と感じる
  • 目をつぶっても「立っている」ことがわかる
  • 走って急に止まっても体を支えられる

このように、前庭覚によって「身体が傾いている」ことがわかって、そこから固有覚と連動して筋肉の張り具合を高めたりして姿勢を安定させています。

視線の安定

また、前庭覚は眼球の動きにも作用しています。

例えば…。顔の前に人さし指を立てて目で見てください。

  • 人さし指を左右に振る➜指はブレて見えますよね。
  • 同様のスピードで顔を左右に振る➜指はあまりブレずに見えます。

このように、前庭覚は頭の傾きを感じ視線を安定させるなど、カメラの手ブレ防止機能のような役割も果たしています。

集中力や学習意欲にも影響してくる

このように身体や視線を安定させる前庭覚。学校で椅子に姿勢よく座ったり、黒板の文字を書き写す為に頭を上下に動かしたりできるのは前庭覚がきちんと働いているおかげです。前庭覚につまずきがあると姿勢や視線が安定しない為、学習に集中できなくなる事もあると言われています。


前庭覚が鈍感だとどうなる?

前庭覚がうまく働きにくい=「鈍感」だと、こんな特徴が見られることがあります。

  • 授業中に椅子にじっと座ってられずソワソワして落ち着かない
  • 板写が苦手でノートがとれない
  • ブランコや回転遊具が大好きで、いつまでも降りない
  • 高いところや速い動きに平気すぎる(怖さを感じにくい)

一見、「少し落ち着きがなく常に動いている活発な子」に見える場合もありますが、実は 体の感覚をつかみにくくて“もっと刺激を求めている” サインかもしれません。


前庭覚が過敏だとどうなる?

逆に、前庭覚がとても敏感な場合もあります。

  • 警戒心が強く集中を保てない
  • 車やバスに乗ると酔いやすい
  • ブランコやすべり台を怖がる
  • 体が少し揺れるだけで不安になる

こうした子は、体の揺れや傾きに対して“強く反応しすぎてしまう”ことがあります。
前庭覚が鈍感な場合とは逆で、周りからは「少し臆病な慎重な子」に見える事が多いのではないでしょうか。


日常でできる遊び

前庭覚は「動きの経験」を通して少しずつ育っていきます。
おうちでできる、簡単な遊びを2つ紹介します。

くるくる回転いす

椅子に逆向きにまたいで座り、落ちないように背もたれにつかまります。大人がそばに立って、手で椅子をグルグル回します。時折、回転方向を変えたりしましょう。

慣れてきたら、いすを回しながら「数字カードを見せて声に出して読ませる」「好きなキャラクターの絵を見せて名前を言ってもらう」「バケツを用意してボールなどを入れてもらう」など、回りながら何かする。を心がけると「前庭覚」を使うと同時に「視覚」も使うことになるので、いい感覚遊びになります。

丸太になろうゲーム

子どもにはマットや布団など柔らかいものの上に横になってもらいます。そして、丸太になったつもりで身体全体をまっすぐに伸ばし、グッと力をいれます。大人は子どもをゴロゴロ転がします。転がるときにグニャっと身体が曲がらないように注意しましょう。

慣れてきたら丸太の子が直立し、その背後に大人が構えます。大人が合図を出して丸太の子は直立姿勢のまま後方に倒れ、それを大人が支えます。そして、再び前に押し出したりなどを繰り返します。見えない背後に倒れるのは不安や恐怖が伴いますが、それを克服し信頼感も高める事ができる遊びです。


まとめ

前庭覚は、子どもが バランスを取る・姿勢を保つ・集中する ために欠かせない大切な感覚です。

  • 鈍感だと「もっと動きたい!」と落ち着きがなくなる
  • 過敏だと「ちょっとの揺れ」も怖くて不安になる

そんなときは、無理をさせずに少しずつ遊びの中で経験を広げていくことが大切です。

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