「うちの子、なんでこんなに姿勢が崩れるんだろう…」
授業参観や食事中、そんな風に感じたことはありませんか?
- 背中が丸まっている
- すぐ椅子にもたれる
- じっと座っていられない
実はそれ、“やる気”や“性格”だけの問題ではないかもしれません。
作業療法士として子どもの身体機能をみていると、
背景に「感覚の育ち」が関係しているケースは少なくありません。
今回は、家庭で手軽に取り入れられる運動遊具「バランスボード」について、
姿勢や集中力との関係を発達の視点から整理していきます。
バランスボードで刺激できる感覚
わが家で導入しているバランスボードは、
木製でゆるやかなU字型にカーブしたシンプルな運動遊具です。

上に乗ってゆらゆら揺れるだけ。
それだけなのに、
- 前庭覚(バランス感覚)
- 固有覚(体幹・各関節の安定)
- 触覚(足裏の感覚刺激)
- 重心移動
といった発達に大切な要素を、自然に刺激することができます。
バランスボードの種類と特徴
このバランスボードにもいくつか種類があり、形状によって微妙に刺激特性や難易度が変わります。
U字型(初級向け)
動きが予測しやすくバランスがとりやすいです。その分、下半身の踏ん張りはあまり必要としないため刺激される固有感覚は下記のタイプよりも少なめです。
まだ、バランスをとるのに慣れていないお子さんにはオススメです。
円盤型(中級向け)
360度全方向に傾くため、動きの予測がしにくく、「どこに重心をかけるか」を繊細に意識しなくてはいけないため固有感覚の刺激は強めです。
U字型に慣れてきた。U字型では物足りなそう。などと感じるようであればこちらがオススメです。
ローラー型(上級向け)
板が自在に動くため、バランス感覚(前庭感覚)や固有感覚、姿勢を保持するための筋力、集中力など、あらゆる機能をフル稼働させて姿勢を保つことが求められます。
遊び的な要素ではなく、スポーツなどの本格的トレーニングを求めているのであればこちらがオススメです。
バランスボードの具体的な遊び方
わが家で購入したU字型のバランスボードを使用した遊び方をご紹介します。
ノーマル
【左右にゆらゆら】難易度:★★☆
バランスが取りにくい場合は手を広げて。

【前後にゆらゆら】難易度:★★☆
左右だけでなく前後も行うことで違う感覚刺激が入ります。

四つん這いで
【四つん這いでゆらゆら】難易度:★★☆
手で身体を支える経験は転倒時、とっさに手が出る反応にも繋がります。

【トンネルくぐり】難易度:★☆☆
「ここをくぐれるかな?」考えて身体を動かす経験はボディイメージ向上に繋がります。

親子で
【端に立ってみよう】難易度:★★★
子どもは端に立って親は手を握る。信頼関係構築やバランス力UPの効果が期待できます。

【ハンモックのように】難易度:★☆☆
ボードの上に子どもを寝かせて。安心感と共に前庭感覚を取り入れられます。

テーブルとして
【ボール転がし】難易度:★★☆
傾斜をつけてボールなどを転がすことで視覚機能向上が期待できます。

【休憩♪】難易度:★☆☆
ミニテーブルとして、ちょっとした休憩スペースの確保にも役立ちます。

応用編
【すべり台】難易度:★★☆
公園などにある大きなすべり台に恐怖心を持っているお子さんにはオススメです。

【二重課題】難易度:★★★
ボードに乗りながらボールキャッチなど。二重課題は集中力UPの効果が期待できます。

バランスボードのメリット
U字型バランスボードを使用することで得られるメリットをご紹介します。
【遊び方のバリエーションが豊富】
上記の遊び方でもご紹介しましたが、考え方次第で様々な遊び方ができます。
色々な遊び方をお子さんといっしょに考えるのも面白いですね。

【自宅で手軽に前庭覚あそびができる】
前庭覚遊びの遊具代表といってもいいのが「ブランコ」ですが、ブランコは、
・外に出なくてはいけない
・他のお子さんが遊んでいたら順番待ちをしなくてはいけない
などといったデメリットがあります。しかし、このバランスボードであれば、前庭覚遊びをしたいときにすぐ自宅でできます。
【下肢・体幹筋を鍛えられる】
バランスボードに乗って身体が左右前後に傾いた中で姿勢を保つには主に下肢・体幹筋の活動が必要となります。
また、姿勢を保つために力を入れて踏ん張る経験は固有覚刺激にも繋がります。
これらの機能改善によって集中力向上の効果も期待できます。
【インテリアに馴染む】
わが家は木のあたたかみがいいなと思い、木製のものを選びました。
今は、各メーカーから色のバリエーションも様々なものが販売されています。ご自宅にあった商品を是非探してみてください。
バランスボードのデメリット
メリット豊富なバランスボードですが、デメリットもありますのでご紹介致します。
【飽きる可能性】
子どもは熱しやすく、冷めやすい。そんな生き物です。(笑)
とくにU字型バランスボードは普通の使い方をすれば左右前後の単純な動きしかしません。
できるようになってしまったら、子どもはすぐに飽きる可能性があります。
継続的に遊びの中で感覚刺激や体幹強化を促したい場合は、親が遊びのバリエーションを教えてあげることも重要かもしれません。

【怪我の可能性】
身体が傾く遊具なので転倒のリスクがあります。
また、四つん這いで使用した場合は手を挟めるリスクもあります。
できるだけ、大人の見守りものとで行いましょう。
更に、バランスボードを使用する場合は下に柔らかめのマットなどを敷いておくと大きな怪我を防ぐことができるかもしれません。
【過度な期待はNG】
感覚遊び、体幹筋強化から集中力UPや姿勢改善の効果が期待できるバランスボードですが、過度な期待はNGです。
「やれば良くなるだろう」ではなく、遊びとして継続的に取り入れていくことで徐々にその効果がでてくるということは頭に入れておくとよいかもしれません。

どんな子に向いている
こんな様子がある子に、バランスボードは一つの選択肢になるかもしれません。
まとめ
バランスボードは魔法の道具ではありません。
ただ、家庭の中で“身体を感じる経験”を増やす一歩にはなります。
子どもの身体づくりは、道具そのものよりも「続けられる環境」が大切だと感じています。





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