【作業療法士パパが解説】子どもの発達が気になる時に見直すべき「感覚土台」とは?

子どもの発達

「うちの子、なんだか落ち着きがない…」
「不器用なところがある」
「すぐ手が出てしまう」

そんな悩みを抱えているパパ・ママはいませんか?

実はその背景には、子どもの発達のピラミッド(感覚 → 運動 → 学習…という発達の土台) がうまく積み上がっていないことが関係しているかもしれません。

(※発達のピラミッドについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にできます)


この記事でわかること

  • 発達のピラミッドがうまく積み上がらないとどうなるのか
  • 日常の「困った」と感覚の土台とのつながり
  • 今日から家庭でできる取り組みのヒント

子育てのヒントとして、少しでもあなたの力になれれば嬉しいです。


日常の「困った」は基礎感覚の未成熟が原因

子どもの発達には
触覚・前庭覚・固有覚・視覚・聴覚
などの「基礎感覚」が土台としてあります。

発達は“積み木のピラミッド”のようなもの。
1段目が不安定だと、2段目・3段目の発達(学習、姿勢、社会性)がぐらつき、

  • 集中できない
  • 不器用
  • 癇癪を起こしやすい

といった「困った」が日常で目立つようになります。

見えている困りごとは、実は“氷山の一角”。
本当に見直したいのは、下の階層=感覚の土台 なのです。


感覚には個人差がある

感覚の受け取り方には大きな個人差があります。
これは決して 良い悪いではなく、個性のひとつ

たとえば…

  • 嗅覚が鈍感で強い香水でも平気な人
  • 嗅覚が敏感で洗剤の匂いでも気になる人

大人でもこれだけ差があるのですから、子どもでも当然起こります。

日常の困りごとも、その子の感覚の特徴として理解していくことが大切です。

感覚の受け止め方の違いを具体例で解説

具体的には次のような子がいます。

  • 花火や運動会のピストル音を極端に怖がる(聴覚過敏)
  • 服のタグを嫌がって着替えを拒む(触覚過敏)
  • いつも走り回り、落ち着かない(前庭覚が鈍感)

感覚の受け取り方には「過敏・ちょうどいい・鈍感」の幅があり、どれも自然な個性です。

ただし、極端に過敏・鈍感の場合、日常で「困る」が出やすくなります。

感覚の受け止め方の違いはなぜ起こる?

この感覚を受け止める様子を下の図で例えて説明します。                   コップは子どもの感覚を取り入れる器。水は入ってくる感覚情報だと考えてください。  

  • 感覚過敏
    水(感覚情報)があっという間に飽和状態に。
    入ってくる感覚情報が耐え難いものになってしまいます。
  • 適正
    水(感覚情報)はまだ入る余裕もあり適切な状態です。
  • 感覚鈍感
    水(感覚情報)を入れてもコップの中は満たされず・・。
    何度も感覚情報を取り入れようとします。

何度もお話しますが、こうした感覚の取り入れる器の違いは「良い・悪い」ではなく、個性のひとつです。

感覚を取り入れる器は小さめ子もいれば大きめの子もいます。


ただ、器の大きさが極端に小さかったり(過敏)大きかったり(鈍感)した場合、日常生活で困ることが出てきます。


日常の「困った」は実は“高度な発達スキル”

よくある日常の困りごとを以下に挙げてみます…

  • 集中力が続かない
  • 学習が苦手
  • 癇癪が多い
  • 手先が不器用
  • 言葉の理解や表出が苦手
もんパパ
もんパパ

パパ・ママであれば、子供に対してこんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか!?

これらを発達のピラミッドに当てはめるとすべて“上の階層” にあたります。

つまり、かなり高度なスキルなのです。

だからこそ、表面のスキル(集中・学習・会話)だけを鍛えようとしても限界があります。


ありがちな対応と、なぜうまくいかないのか

次は、先程の例で挙げた事象のありがちな対応例を下記に挙げてみます。

  • 集中力が続かない
    集中させる時間を増やそう
  • 学習が苦手
    もっと勉強させよう
  • 癇癪(かんしゃく)が多い
    しっかりと言い聞かせよう
  • 手先が不器用
    手先の練習を増やそう
  • 言葉の理解や表出が苦手
    コミュニケーションを増やそう

これらはもちろん間違いではありません。
でも、これだけでは根本改善にならないことが多い のです。

理由はただひとつ。

👉 “土台となる感覚” が不安定なままだから。


大切なのは「土台から考えること」

発達のピラミッドは建物と同じ。

どんなに2階(学習力や社会性)を身につけようと頑張っても、1階(感覚の土台)がぐらついていたら不安定なまま。

例:

  • 固有覚が未成熟
    → 姿勢が崩れやすい
    → 集中できない
  • 触覚が過敏
    → 工作の材料に触るのを嫌がる
    → 手先が不器用に見える

実際、私(もんパパ)の子どもも、

  • タグをとても嫌がる(触覚過敏)
  • ブランコの大きな揺れが怖い(前庭覚過敏)

といった特徴があります。

もんパパ
もんパパ

見えている「困った」を改善するというよりは
遊びの中で感覚の土台を育てることを意識して関わるようにしています。


家庭でできる“感覚の土台づくり”の始め方(簡潔版)

すぐにできる例だけ3つ紹介します。

▼触覚

  • 粘土・砂・水・草・布など“いろんな素材”に触れる遊び

▼前庭覚

  • ブランコ・ゆらゆら遊び・バランス遊び

▼固有覚

  • ひっぱりっこ・荷物運び・よじ登り遊び・押す/引く遊び

「特別な療育」じゃなくてOK。
遊びこそ、最高の感覚トレーニング です。


まとめ

日常の「困った」は、実は 発達のピラミッドの上の階層が頑張りすぎているサイン かもしれません。

  • 集中
  • 学習
  • コミュニケーション
  • 行動コントロール

こうした力に注目する前に、まず 感覚の土台 を見てみましょう。

おうち遊びの中でも、感覚を育てる工夫はたくさんできます。
ぜひ、お子さんの特性に寄りそいながら、楽しんで取り組んでみてください。


▼ 各感覚の詳しい解説はこちら


参考文献

『発達の気になる子の学校・家庭で楽しくできる感覚統合あそび』川上康則(株式会社ナツメ社)


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