発達グレーの子どもの就学相談とは?出張相談を受けた体験談と就学までの流れ

発達のグレーゾーン

発達が気になる発達グレーのお子さんをお持ちのパパ・ママへ。
幼稚園や保育園などを卒園して小学生になるにあたって下記のような不安はありませんか?

「友達と上手くやっていけるだろうか?」
「勉強にはしっかりついていけるだろうか?」

しかし、不安や心配を抱えながらも、どうしたらいいか分からないパパ・ママも多いのではないでしょうか?
私も少し前まではその1人でした・・。

今回私は市の教育委員会が主催している「出張相談」というものに参加し、この不安や心配を少し解消する事が出来ました。

この記事を読むことで、
・出張相談で実際に何を見られるのか
・就学相談はいつから行われるのか
・発達グレーの子の就学先にはどんな選択肢があるのか
が具体的にイメージできるようになります。


なぜ「出張相談」を行ったか

記事の概要の前に、現在の我が家の状況や出張相談が行われる事になった経緯についてお話します。

子どものプロフィール

  • 今回相談を受けた子どもは次男で4歳の年中さん。(2025年現在)
  • 目立つ部分としては言葉の表出や理解の遅れ。
  • 確定診断はついていない。

「出張相談」が行われる事になった経緯

これまで、定期検診や支援センターなどで相談はしていましたが「遅れはありますが、様子をみましょう」と言われており、相談した際は常に保育園へ報告していました。

そのような中、保育園で保護者面談があった際の出来事です。
「就学相談を希望しているのであれば、年中の早い段階で市の教育委員会にその旨を伝えておいた方が、今後のやり取りがスムーズに進みますよ!」
「希望があれば、市で行っている出張相談を保育園で出来ますが良ければどうですか?」

もんパパ
もんパパ

是非っ!お願いします!


こんな感じで今回、出張相談を妻と共に受ける事になりました。


出張相談ってどんな内容?

この出張相談ですが、私が住んでいる市では保護者が必要だと希望して申し込みをすれば、どのような時期でも行ってくれるようですが、これは各自治体によって違いがあるようです。
出張相談という呼び方ではなく違う呼び方で行われていたりもするようなので、お住いの自治体に直接連絡するか、ホームページなどで確認するとよいと思います。

出張相談の全体的な流れ

出張相談の流れは至ってシンプルで以下の通りでした。

  • 普段通りに子どもを保育園に送り保護者は自宅待機
    (指定された時間に再び保育園に来るように伝えられる)
  • 市の職員が保育園で過ごしている子どもの普段の様子を2〜3時間観察する。
  • 観察後、市の職員・保護者・保育園の先生で面談をする。

面談の内容

市の職員さんの観察が終わった頃、指定された時間に保育園に行くとすぐに市の職員・保護者・保育園の先生による面談が始まりました。
面談室に通され、小心者の私は少し緊張気味で市の職員さんと顔合わせ。するとそこに居たのは・・。

「!!!」

以前何度か支援センターに相談に行った際に対応してくれていた臨床心理士さんではありませんか。これで一気に緊張がほぐれ、「あぁ〜!お久しぶりです」という感じで面談がスタートしました。

観察のポイント

面談は臨床心理士さんによるお話がメインで、始めにわが子を観察するにあたって見ていたポイントを教えて下さいました。そのポイントは大きく2つ。

  • 保育園の先生の指示に対して適切な行動が取れているか
  • 友達とどのように遊んでいるか

他にも観察のポイントはあるのかもしれませんが、面談の中でお話があったは上記の2つでした。

観察のフィードバック

面談の中で頂いたフィードバックは以下の通りでした。

  • 保育園の先生の指示に対して適切な行動が取れているか
    →この日は保育園で身体測定があったよう。
    →先生が園児を集めて服を脱ぐように指示。
    →わが子は気が乗らず教室の端に座ってゴネる・・。
    →最後は園の先生に促され渋々、服を脱ぎ始めたよう・・・。
もんパパ
もんパパ

家でもまったく同じ感じ。気が乗らないとなかなか行動に移せない。
声掛けを間違えると不機嫌になって更に行動出来なくなったり。
子育てって難しいですよね。

  • 友達とどのように遊んでいるか
    →友達と神経衰弱のようなカードゲームをしていたそう。
    →カードがある場所を記憶する事は可能。
    →しかし、カードを取っていく順番を守れず分かったらすぐにカードを取ってしまう。
    →注意されても同様のことを繰り返してしまう。
    →ルールの理解などが難しそうだったよう。
もんパパ
もんパパ

これは、普段私が次男と遊んでいても難しいなと思っている部分。
言葉の理解が不十分な部分があるので、ルールのある遊びは自分ルールを決めてしまうんです。

観察の総括

観察のフィードバックが終わると、臨床心理士さんの目線での総括を頂きました。
今回の観察とは別に、以前相談した際にも次男の様子は見てくれていたので、その比較もしながらの総括となりました。内容は以下の通り。

  • 発話量も増えておりコミュニケーションの幅は広がっている。
  • 言葉の理解力もあがっている。
  • しかし、他の園児と比較をすると、まだ不十分な部分がある。
  • 保育園の先生のサポートもありつつ、保育園では問題なく生活を送れていそう。
  • しかし、現状のままでは小学校へ進学となると何かしらの支援が必要となるかもしれない。
  • 成長は感じるので、これからも苦手部分を伸ばせるような関わりを家庭でもして欲しい。
もんパパ
もんパパ

臨床心理士さんの総括が我が家の見解とまったく同じでした。
成長が遅いながらも、次男の日々の成長は感じる。
でも、「小学校での集団生活となると難しそうだな。」
こんなふうに、妻とも話していたんです。


就学相談について

観察の総括を頂いた後は、今後、小学校へ進学するにあたり就学相談を受けるという前提で今後の流れや就学先の選択肢などについてお話があったので、その内容も少しご紹介します。

就学相談って何?

就学相談とは、発達が気になる年長のお子さんの小学校入学前に、お子さんに合う学びの場(支援学級、通級、支援学校など)を決めるために行われる話し合いや相談のことを言います。
教育委員会が主体となって行っており、申込み時期や段取りなどは自治体によって異なるので、住んでいる自治体のホームページなどで確認するとよいと思います。

就学相談の主な流れ

  • 申し込み【年長の春〜9月頃】
    多くの自治体では年長になってすぐに電話や郵送等で申し込みが始まるようです。
    (私の市では年長を待たずとも、3月くらいには申込みをしてよいとの事)

  • 面談【年長の春〜9月頃】
    子どもの発達や障がいの状況、成育歴や家庭環境、教育や就学先に対する保護者の希望などが訊かれ、必要な支援について相談していくようです。

  • 学校見学【年長の春〜9月頃】
    実際に校区の学校の支援級や支援学校を見学したり、先生から話を訊いたりし、具体的にどのような支援が行われているのか、情報を得る機会になりそうです。

  • 園に訪問【年長の春〜9月頃】
    就学相談の担当者が子どもの園に訪問。様子の観察をするようです。

  • 診断書の依頼【年長の春〜9月頃】
    ここはかなり自治体によって異なる部分みたいで、私が住んでいる市で診断書は必須のようです。

  • 面談(2回目)【10月】
    ここで診断書の提出と最終的な入学先の希望などを伝えていくようです。

  • 就学時検診【10月〜11月】
    9月~10月頃に年長のお子さん全員に通知が届く。まだ、就学先が未定の場合などは健診の時の様子や結果などが判断材料とされることがあるみたいです。

  • 就学先の決定【11〜12月】
    教育委員会や専門家での話し合いによる方針と、保護者の方の意向をまとめ、最終的には11月~12月頃に決定します。

発達に課題がある子どもの就学先の選択肢は?

上記では就学の流れについて見ていきました。
次に、発達に課題がある子どもの就学先の選択肢をご説明したいと思います。大まかな流れは下の図の通り。

特別支援学校

支援学校(特別支援学校)とは、視覚障がい、聴覚障がい、知的障がいなど様々な障がいを持つお子さんを対象とした学校。
個々に合わせて学習内容が決められ、身辺自立や学習上や生活上の困難に対する支援が行われているようです。

特別支援学級

支援級(特別支援学級)とは、学習上や生活上で困難な面を持つ子どものために、小学校や中学校が設置している少人数の学級のこと。
基本的な教科学習を支援級で受け、給食や一部の学習を通常学級で受ける場合などもあるよう。
子どものニーズや学校の体制、住んでいる地域によって取られる支援方法は異なるみたいです。

通常学級

通常学級に入ると基本的には集団の中で学習をする事になります。
学級担任の指導の下、必要に応じて特別な支援を受ける事が出来ます。
※この支援も自治体によって微妙に変わってくるようなので、あくまで参考程度にお考え下さい。

学級生活支援

通常学級に在籍しつつ「学級生活支援サポーター」と呼ばれる方が派遣されて必要な学校生活をサポートしてくれるようです。
ただし、時間限定の支援であり1人の子どもに対し、常時支援にあたる訳ではないようです。

通級指導教室

通称、「通級」。こちらも通常学級に在籍しつつ基本的な授業などは通常学級で受け、通級指導の時間のみ、その子に合わせた指導を受ける学級のことをいうようです。
すべての学校で通級が設置されているわけではなく、その子の通う学校に通級がない場合は、通級の時間のみ他の学校に通うことになり、その時は保護者の送迎が必要となるようです。


子どもの発達に不安な時は早めに誰かに相談を

今回、出張相談を受けてみて強く実感した事があります。

それは、子どもの発達が気になるようだったら早い段階でお住まいの自治体や保育園などに相談しておいた方が良いということです。

正直、これまで何度か支援センターなどに出向き発達の相談など受けてきましたが、その中で頂くアドバイスなどを聞いても「それは知っています・・。」と思うばかりでした・・。

そして、相談の最後には「まず、様子をみましょう」の一言で終了。

相談したからといって現状が何か変わるわけでもなく、相談なんてしなくてもいいのではないか?と思った事もありました。

しかし、今回出張相談受けてみて、これまで早めに相談をしていた事でのメリットを感じる事が出来ました。

早めの相談をするメリット①

【市の職員による子どもの現在と過去の比較が可能】

早めに相談して、ある程度のスパンで子どもを見てもらう事で、子どもがどの程度成長しているか市の職員も分かる。
何が出来るようになっていて、まだ出来ない事は何か。
これを市の職員と親が共有出来るのは、今後の方向性を考える上でもとても重要な事だと感じました。

早めの相談をするメリット②

【多方面から様々な情報がもらえる】

今回、出張相談が行われる事になったきっかけになったのは、保育園側からの提案。
これは、こちらから「子どもの発達に不安がある」「支援センターなどにも相談している」などといった事を保育園に伝達していたからこそ実現したこと。

そして、その出張相談では自治体で行われている就学相談の細かな流れを知ることが出来ました。
正直、就学相談が行われる大まかな流れは、ネットなどでいくらでも検索出来ます。
しかし、その中でも現場にいる方だからこそ分かる情報などがあるのも事実。
例えば今回の例でいうと・・。

  • 就学相談の申込みの時期は正確には年長からとなっているが、年中からでも良い。
  • 診断書作成の為、医療機関を受診する場合のオススメの病院の情報。etc..

その他、様々な質問をしましたが、どんな質問にも丁寧に答えて頂きました。
このような細かな情報は、実際に対面して話しを聞かないと分からない事だなと実感しました。


まとめ

以上、私が体験した出張相談についてのお話でした。

わが子の発達が遅いなと感じた場合、その現実を受け入れる事は初めは大変かもしれません。

また、先々の事を考えると不安もあると思います。

しかし、その現実を受け入れて、自分一人で悩まず、誰かに相談すれば少しづつ先々の不安を解消する事が出来ます。

まずは、パパ・ママが何かしらの行動を起こす。これが子どもにとって一番大切な事なんだと思います。


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