みなさんは子どもの運動神経について悩んだことはありますか?
「私は足が速かったのに、なんでうちの子は遅いんだろう?」
「私が運動オンチだったから、子どもに遺伝しちゃったのかも…」
そんなふうに感じたことがあるパパ・ママも多いと思います。
今回は、このような悩みを解決できるように「運動神経の遺伝」と「子どもとの関わり方」について分かりやすくお話していきます。
運動ができる・できないは「経験」にかかっている
結論からお話しすると、運動神経は遺伝しません。
運動が苦手なパパ・ママのもとに生まれた子どもが運動オンチになるとしたら、それは「遺伝」ではなく「環境」の影響が大きいと考えられます。
たとえば、パパ・ママが運動に対して苦手意識を持っていると、自然と外遊びや運動の機会が少なくなりがちです。
その結果、子どもが運動を「経験するチャンス」を逃してしまい、運動が苦手になることがあります。

「運動神経」と「運動能力(身体能力)」の違い
「運動神経」は遺伝しない一方で、「運動能力(身体能力)」には遺伝的要素があるといわれています。
この2つの違いを理解しておくと、子どもの成長をサポートするヒントになります。
運動神経とは
「運動神経」は、脳からの指令を身体に伝えて動かすための神経回路を指します。
たとえば「ボールを投げる」という動作をするには、脳が指令を出し、脊髄・末梢神経を通って筋肉へ伝わることで動作が成立します。
この神経のつながり(回路)は「経験」を通して発達していくものです。
つまり、ボールが投げられない子は「投げる経験」が少ないだけ。
走るのが遅い子も、単に「走る経験」が不足しているだけなのです。
子どもの運動神経を育てるには、幼少期に多様な動きを経験できる環境がとても大切です。
運動能力(身体能力)とは
一方で、運動能力(身体能力)には遺伝的な要素があります。
たとえば、骨格や関節の構造、筋繊維のタイプ(速筋・遅筋の比率)、心肺機能の効率などです。
速筋が多い人は短距離走などの瞬発力系が得意で、遅筋が多い人は長距離走などの持久力系が得意になります。
このように、どんなスポーツに向いているかは生まれ持った身体の特性によって変わります。

「運動神経」は運動する際に思った通りに身体を動かすことが出来る力「運動能力(身体能力)」は運動するための身体的な力と考えていいと思います。
いくら生まれ持った運動能力が高くても運動神経が伴わないと、ポテンシャルを十分発揮できず運動が苦手な子になってしまいます。逆に、生まれ持った運動能力が低くても運動神経のバリエーションが多い子は運動が得意になる訳です。
運動神経を育てるには「6歳」までが重要
運動神経を後天的に伸ばすには、「時期」と「経験」がとても大切です。

有名な「スキャモンの発育曲線」によると、神経系の発達は6歳頃までにほぼ100%に達するといわれています。
そのため、この時期までに「歩く」「蹴る」「跳ぶ」「投げる」「打つ」といった基本動作をたくさん経験することが大切です。
特定のスポーツを始める前に、これらの基本動作を習得しておくことで、バランスよく身体を使えるようになり、どんな運動にも対応できるようになります。

6歳までに経験しておきたい運動の基本動作
ミズノ株式会社がスポーツ庁の委託を受けて作成した「36の基本動作」は、幼児期の運動発達をサポートする指標としてとても参考になります。
🔗 子供の運動習慣アップ支援事業|運動あそびBOOK(文部科学省)

この36の基本動作は
① 平衡系動作
② 移動系動作
③ 操作系動作
の3つに分類されています。
それぞれにチェックリストやおすすめの遊び方も紹介されているので、家庭でも簡単に活用できます。
運動の基本は「遊び」
運動の基本は、特別なトレーニングではなく「遊び」です。
昔の子どもたちは、めんこやコマ回し、鬼ごっこなどを通して、自然と身体の動かし方を学んでいました。
しかし現代では、テレビゲームや動画など「体を動かさなくても楽しめる遊び」が増え、運動経験の機会が減っています。
だからこそ、パパ・ママが子どもと一緒に意識的に身体を使う遊びを取り入れていくことが大切です。

子どもと遊ぶ中で大切にしたいこと
遊びを通して運動を育てようと思っても、子どもは飽きやすく、思い通りに進まないこともあります。
たとえば「投げる」練習をしても上手くいかず、ボールを嫌がることもあるでしょう。
そんな時は、鬼ごっこのように「ボールを避ける遊び」に変えてみたり、「ボールに慣れる」ことを目的にするのもおすすめです。
大切なのは専門的な知識よりも
①子どもが何ができていて何ができていないかをパパ・ママがしっかりと判断すること。
②子どもが少しでも上達した瞬間を見逃さずに褒めること。
「よくできたね!」「すごいね!」
この言葉の積み重ねが、子どもの成功体験と自己肯定感を育て、挑戦する心を支えてくれます。

まとめ
運動神経は生まれつきの才能ではなく、「経験」で育まれるものです。
6歳までの遊びや日常の中で、さまざまな動きを経験することが、子どもの未来の運動能力を支えます。
パパ・ママが笑顔で「一緒に遊ぶ」ことこそ、最高のトレーニングです✨

【参考文献・サイト】
『わが子の運動神経がどんどんよくなる本』遠山健太(学研プラス)
『子どもの脳を育てる「運動遊び」』柳澤弘樹(日本実業出版社)
『子どもの運動神経は遺伝するの?子どもの運動神経を高める方法とは?』名古屋オーシャンズフットサルスクール
『運動神経は遺伝?環境?双子研究が明かす驚きの真実と才能の秘密』ヒロクリニック
『「運動神経」とは別物?「運動能力」に関わる遺伝子』初めての遺伝子検査
『「スキャモンの発育曲線」でわかる!3歳からスポーツをはじめたほうがいい理由』Greenfield
『「子供の運動習慣アップ支援事業」運動あそびBOOK(スポーツ庁委託事業)』笹倉慎吾, 上向井千佳


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