ボールの投げ方の教え方|キャッチできない子が1ヶ月で変わった順番

おうち運動あそび

「子どもにボールの投げ方を教えたいけれど、どう教えたらいいのか分からない」

わが家もまったく同じでした・・・。

休みの日にボールを持って公園に行っても、次男(当時4歳・年中)は投げるのも捕るのもうまくできません。

できないから、やりたがらない。

せっかくボールを持っていったのに出番なし、ということが何度もありました。

私自身は子どものころ友だちと自然にボール遊びをしていて、誰かに教わった記憶がありません。

だから、いざ自分の子に教えるとなると「何をどう言えばいいのか」が本当に分からなかった・・。

結論から言うと、わが家でうまくいったのは次の3つの順番でした。

  1. まずボールに慣れる(投げさせない・捕らせない)
  2. どんな形でもいいから「できた!」をつくる
  3. 最後に、投げると捕るを分けて整える

かかった期間は1ヶ月ほど。毎日練習させたわけではなく、気が向いたときに一緒に遊んだだけです。

そして先に言っておくと、私が最初にやった「フォームを教える」が、いちばんの失敗でした。


ボールを投げる・キャッチできるのは何歳から?

ボールを投げる練習をする子ども

まず、多くの親御さんが気にする「何歳でできるのが普通なの?」という点から。
一般的には、次のような順序で育っていくと言われています。

  • 1歳半ごろ 相手に向かってボールを転がす
  • 2〜3歳ごろ 両手で持って下から放る
  • 3〜4歳ごろ 片手で上から投げる動きが出てくる
  • 4〜5歳ごろ 飛んできたボールを受け止められるようになってくる

ただし、これはあくまで目安です。
この時期の子どもの発達は個人差がとても大きいので、半年や1年のズレで焦る必要はまったくありません。

そして、これは伝えておきたいことなのですが──

わが家の場合、長男はほぼこの目安どおりに進みましたが、次男は4歳の時点で片手投げもボールキャッチもまったくできていませんでした

同じ家で同じように育てても、きょうだいでこれだけ差が出ます。

目安から外れていても、慌てて練習させる必要はありません。「うちの子だけかも」と思っている方は、たぶん、そんなことはありません。


【失敗談】フォームから教えたら、いちばんの遠回り・・。

当時の次男の様子は、こんな感じでした。

  • 投げる】
    体が正面を向いたまま、完全に腕だけで投げる。
    手と足の連動はゼロ。手を離すタイミングも定まらず、ボールが上に行ったり下に行ったりで、まっすぐ飛ばない。
  • 捕る】
    ボールが怖いのか、キャッチの瞬間に目を閉じてしまう。

そこで私は「正しい投げ方を教えよう」と考えました。
ボールを投げる動作は、体の下から上へ順番に力が伝わる連鎖でできています。

フォームを教えようとする場面

私はこれを目の前でやって見せて、同じようにやらせようとしました。

結果は、最悪・・。

子どもからすれば、遊びに来たのに急に指導が始まったようなもの。

ただのつまらない運動教室になってしまっていました。次男の食いつきは落ちる一方でした・・。

ここでようやく気づきました。

そもそも「投げさせよう」「捕らせよう」としていたことが間違いだったんです。

上に書いた運動連鎖の話は、親が知っておくだけで十分。子どもに説明したり、真似させたりするものではありませんでした。


第1段階|「投げさせない・捕らせない」でボールに慣れる

柔らかいゴムボールで遊ぶ

方針を変えて、最初にやったのはボールに慣れることだけ。

投げるのも捕るのも、いったん狙うのをやめました。ここは投げる・捕るに共通の土台です。

まずはボール選びから

使ったのは、100円ショップ(ダイソー)で買った柔らかいゴムボール

ダイソーの柔らかいゴムボール

わが家では直径30cmくらいの大きめのものが特に活躍しました。

当たっても痛くない!怖くない!両手で抱えやすい!3拍子揃った最強アイテムです。(笑)


遊びの中に、自然とボールがある状態をつくる

やったのは、投げ方も捕り方もいっさい問わない遊びです。

  • 【ボール当て鬼ごっこ】 
    鬼が投げたボールが当たったらアウト。投げる・よける動作が自然と身に付きます。
  • 【ボール送り競走】
    並んで、次の人にボールを送っていくだけ。
    渡す・受け取るという動作が、投げる・捕るの事前練習になります。

メンバーは私と長男・次男の3人が基本で、ときどき妻も入りました。場所は特に決めていません。家の中でも、庭でも、公園でも、どこでもできます

大事なのは「練習しよう」と言わないこと。親のほうが、遊びの中にボールがある環境をさりげなく用意する。それだけを意識していました。


第2段階|三角キャッチで「できた!」をつくる

親子3人で三角キャッチ

ボールが怖くなくなってきたら、次は投げ方も捕り方も問わないまま、成功体験だけを積む段階です。

わが家でやったのは「三角キャッチ」。

私・長男・次男の3人が三角形になるように立って、ボールを回していくだけです。

  • 最初は手渡しできるくらい近い距離から始める
  • できるようになったら、少しずつ距離を離していく
  • 慣れてきたら「何回落とさずに続けられるかな?」と記録に挑戦する

ポイントは、フォームをいっさい直さないことです。

両手で抱え込むように捕っても、下からポイと投げても、全部オーケー。

「投げられた!」「捕れた!」という成功体験そのものが目的だからです。

兄弟でやると上の子がお手本になってくれるのも良い点でした。

上の子には少し難しい投げ方をお願いすると、飽きずに付き合ってくれます。


第3段階|「捕る」と「投げる」を分けて整える

ボールをキャッチする練習

ここまで来て、ようやく「捕る」「投げる」を少し分けて遊ぶ段階に入りました。

キャッチできない2つの原因と、その外し方

ボールをキャッチできない原因は、わが家の場合きれいに2つに分かれていました。

原因① 目を閉じてしまう

これは第1段階・第2段階を通るうちに、ほとんどなくなっていました。痛くないボールで散々遊んだことで怖さが抜けたのだと思います。

ここを飛ばして「目を開けて!」と言っても解決しません。

原因② 腕でバシッと叩くように捕ろうとする

こちらが本命です。うまく捕れる人は、ボールが手や腕に収まる瞬間に肘を後ろに引いて、ボールの勢いを吸収しています。ボールを包み込むイメージですね。

ところが捕るのが苦手な子は、これがまるごと逆向きになります。ボールに向かって腕を出していってしまう。

勢いに自分の勢いが上乗せされるので、力と力がぶつかって弾くんです。

しかも無駄な力が入っているぶん、余計にこぼれます。長男も、できるようになる前は同じでした。

わが家で効いたのは、この3つです。

  • 必ず胸元に投げてあげる】
    手だけでなく、腕全体と胸を使って抱え込むほうが捕りやすい。
    その感覚をまず体で知ってもらう
  • 【記録チャレンジを使う】
    「何回続くかな?」とやると、落としたくないので子どもが自然とやさしく捕ろうとする。言葉で教えなくても勝手にそうなります
  • 【好きなキャラクターで言い換える】
    次男はカービィが好きだったので「ボールをやさしく吸い込めー!」と声をかけていました。「力を吸収して」と説明するより、100倍伝わります

「腕だけ投げ」から抜け出す遊び

ひとつ気づいたことがあります。

三角キャッチはやさしく投げるので、どうしても両手投げになりがちなんです。

とはいえ第1段階のボール当て鬼ごっこで片手投げを時折していたので、経験はゼロではありませんでした。

この「片手投げ」。

いちばん難しいのは、足を上げて重心を移動し、踏み込んだ力を上半身に伝える部分です。

ここが抜けると、いつまでも腕だけの投げ方になります。

そこで、この感覚が自然に出る遊びを重点的にやりました。

どすこい投げ

お相撲さんの四股のように足を上げて、下ろした勢いのまま投げる遊び。
投げるものはなんでもいいです。
床にテープなどで線を引いて、その線をまたいで立つと分かりやすいです。

どすこい投げの姿勢

紙鉄砲

新聞紙などで作った紙鉄砲を振って「パン!」と鳴らす遊び。
踏み込みと腕の振り、手首の使い方がまとめて入ります。
音が鳴るので子どもが喜びます。

紙鉄砲を振る子ども

この2つは、川上康則先生が監修した『発達の気になる子の 学校・家庭で楽しくできる 感覚統合あそび』(ナツメ社)で紹介されている感覚統合あそびを参考にしました。ボール遊び以外にも、家や園ですぐできる遊びがたくさん載っていて、わが家では何度も開いている一冊です。

それと意外と大事だったのが「最初は下に投げてもいい」ということ。

前に飛ばすことにこだわらず、体を使って強く投げる感覚だけを味わってもらい、そこから少しずつ前に飛ばす経験に移しました。


5歳になった今の次男と、これから

公園でボール遊びをする次男

正直に書きます。年長になった今も、次男は応用的な動きはまだ苦手です。

  • 捕る……胸元以外に来たボールは、まだ捕りにくそうにしています
  • 投げる……遠くには飛ばせません。体の使い方も、細かく見ればまだ不十分です

それでも、保育園の友だちとボールで遊べる。公園でボール遊びに参加できる

わが家にとっては、そこまで来たことが十分な変化でした。

ボールを持っていっても出番がなかったころとは、まるで違います。


まとめ|順番を変えるだけで、ぐっと近づきます

親子でボール遊び

子どもへのボールの投げ方・キャッチの教え方で、わが家がたどり着いた答えはシンプルでした。

  1. 【ボールに慣れる】
    柔らかいボールで、投げる・捕るを狙わずに遊ぶ
  2. 【「できた!」をつくる】
    三角キャッチで、フォームは問わず成功体験だけを積む
  3. 【分けて整える】
    胸元に投げる・記録チャレンジ・どすこい投げ・紙鉄砲

そして、いちばんお伝えしたいのは「投げさせよう」「捕らせよう」としないことです。

フォームを教えたくなる気持ちは痛いほど分かります(私がそうでした)。でも、そこから入ると子どもはつまらなくなって、遠回りになります。

特別な道具も、毎日の練習もいりません。

わが家は100円ショップのボールと、気が向いたときの遊びだけで、1ヶ月ほどで変わりました。

よかったら試してみてください。

「遊びの中で体の使い方を育てたい。でも、親が毎回メニューを考えるのは正直しんどい」

この記事で書いたとおり、ボール遊びも結局は「楽しい遊びとして続けられるか」が全てでした。とはいえ、その遊びを毎回親が用意するのは、なかなか大変です。

わが家の次男は、オンラインの運動教室「へやすぽアシスト」を利用しています。画面の向こうの先生が遊びをどんどん出してくれるので、親は一緒に楽しむだけ。無料体験があるので、雰囲気を見てから決められます。

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【参考文献】川上康則 監修『発達の気になる子の 学校・家庭で楽しくできる 感覚統合あそび』ナツメ社

本記事は作業療法士としての知見と個人の経験に基づく情報提供であり、医学的診断や個別の医療アドバイスを目的としたものではありません。お子さまの発達についてご心配な場合は、専門機関にご相談ください。

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