「掃除機や花火の音を、異常なくらい怖がる」
「車の中でテレビをつけた瞬間、急に耳をふさいで泣き出した」
そんな様子を見て、「うちの子、音に敏感すぎ…?」と気になったことはありませんか?
「ちょっと音が大きかったかな」くらいに思っていても、本人にとっては想像以上につらい感覚かもしれません。
作業療法士として2児を育てる私自身も、次男のこうした様子に何度も向き合ってきました。今回は聴覚過敏について、特徴や園・外出先での対応のヒントを解説します。
聴覚過敏とは?

聴覚過敏とは、特定の音や音量を、人より強く・敏感に感じ取ってしまう特性のことです。
周りの人にとっては「気にならない」「少し大きいかな」程度の音でも、本人にとっては「痛い」「叫び出したくなるほど不快」と感じられることがあります。
これは感覚統合(脳が感覚情報をうまく処理する力)のつまずきの一つと考えられています。
聴覚過敏の特徴・よくある場面

聴覚過敏のある子によく見られる様子には、こういったものがあります。
- 大きな音(雷・花火・サイレンなど)に過剰に驚いて泣く
- 運動会のピストル音・体育館の反響音を極端に嫌がる
- テレビや音楽の音量を、人より低めに設定したがる
- 耳を塞ぐ・その場から逃げ出そうとする
音そのものの大きさだけでなく、「音質」「予測できない突発的な音」に特に過敏に反応する子もいます。
わが家の体験談|車内でテレビの音を嫌がった次男

わが家でも、車の中でテレビをつけていると、次男が突然耳を塞いで嫌がることがありました。
正直なところ、運転中だったため、できる対応はボリュームを下げることくらいでした。
本当は車を停めてゆっくり話を聞いてあげたい気持ちもありましたが、状況的にそれが難しいこともあります。
「完璧な対応ができたか」と聞かれると、正直「できていなかった」と思います。
それでも、「音量を下げる」という小さな対応の積み重ねで、今は少しずつ落ち着いてきています。
聴覚過敏への対応は、完璧を目指さなくていいのだと、自分自身の経験からも感じています。
おうちでできる対応のヒント

- 大きな音が出る前に「これから音が出るよ」と事前に予告する
- イヤーマフ・耳栓など、本人が安心できるアイテムを活用する
- 「気にしすぎ」「我慢しなさい」と否定せず、つらさを受け止める言葉をかける
- 家庭で完璧に対応しようと気負わず、できる範囲の対応で十分と考える
グッズを使うことで、子ども自身が「対策できた」という感覚を持てるのも大切なポイントです。場面や用途に合わせて選んでみてください。
子ども用イヤーマフ(幼児からOK・まず試すならこれ)
運動会のピストル音・花火・にぎやかなイベントなど、音が大きくなる場面での第一選択です。
子ども用の防音イヤーマフは2,000円台から手に入り、スライド式のヘッドバンドで成長に合わせてサイズ調整できるものがおすすめ。聴覚過敏の子向けとして小児科医が推奨しているモデルもあり、レビュー件数の多い定番品なら失敗が少ないです。
子ども用耳栓(小学生の日常使いに)
小学生くらいになると、「イヤーマフは目立つから嫌」と言い出す子も多いです。そんな年齢の子の日常使いには、子ども専用設計の耳栓という選択肢があります。
Loop Engage Kids 2(6〜12歳専用)は、聴覚過敏・感覚過敏の子向けに設計された耳栓です。少し値は張りますが、安いスポンジ型の耳栓との決定的な違いは、騒音は下げつつ、人の声は聞こえること。すべての音がこもってしまうスポンジ型と違い、園や学校で先生の話を聞きながら使えます。
※耳栓は小さな部品があるため、幼児のうちは誤飲防止の観点からイヤーマフをおすすめします。
園や外出先での対応

運動会や行事など、大きな音が予想される場面では、事前に園の先生に聴覚過敏があることを伝えておくと、配慮してもらえることがあります(例:ピストルの代わりに旗を使う、音が出る位置から離れた場所にいさせてもらうなど)。
家庭だけで対応が難しいと感じる場合は、専門家に相談しながら関わり方を考えていくのも一つの方法です。
わが家では、作業療法士・理学療法士が個別にプログラムを考えてくれるへやすぽアシストを利用していて、こうした特性についても相談できるのが助かっています。
聴覚過敏は大きくなったら治る?

「このまま大きくなっても、音に敏感なままなのでは」と心配になる方も多いと思います。
聴覚過敏の感じ方そのものが完全になくなるとは言い切れませんが、成長とともに「自分でイヤーマフをつける」「苦手な場所を避ける」「事前に対策しておく」など、自分なりの対処法を身につけていく子は多くいます。
つまり、感覚そのものは変わらなくても、うまく付き合えるようになっていくケースが多いということです。
幼少期のうちは、本人が安心できる対処法(イヤーマフ・予告・逃げ場の確保など)を一緒に見つけてあげることが、将来的に自分で対応できる力につながっていくと考えられます。
次男も、最初は車内のテレビの音にただ耳を塞いで泣くだけでしたが、今では「音量下げて」と自分から言葉で伝えられるようになってきました。
感覚そのものは変わらなくても、「伝え方」が育ってきているのを感じると、それだけでも親としては嬉しい変化です。
まとめ
聴覚過敏は、本人にしかわからないつらさがあります。「気にしすぎ」と決めつけず、本人の感じ方を理解しようとすることが、何よりの対応の第一歩です。
完璧な対応を目指さなくても大丈夫。できる範囲で寄り添っていくことが大切だと、わが家の経験からも感じています。
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本記事は作業療法士としての知見と個人の経験に基づく情報提供であり、医学的診断や個別の医療アドバイスを目的としたものではありません。お子さまの発達についてご心配な場合は、専門機関にご相談ください。



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